長いことご無沙汰いたしました。また今月よりお目にかかりたいと思います。
9月18日は敬老の日。この日に先駆けて平塚市落合市長が長寿者のお祝いに「ういすたりあ」を訪問してくださいました。昨年は103歳の方と100歳の方がお祝いを受けられましたが、寂しいことに今年は101歳(大正5年6月生まれ)の入居者様1名だけになってしまいました。
約1世紀前の大正5年は、第6回ベルリンオリンピックが中止となった年であるが、この年には精神科医の斎藤茂太、プロ野球で活躍した鶴岡一人、藤村富美男が生まれている。私に文章を書くきっかけを与えてくれた栃木県那須の開業医・見川鯛山先生も大正5年生まれであった。
文壇では「出家とその弟子」(倉田百三)、高瀬舟(森鴎外)が発表され、夏目漱石は「明暗」を未完のまま世を去っている。
ちなみに明治製菓(東京製菓、大正に創立されても明治製菓である)が創立されたのもこの年であり、早川徳治氏(後の早川電機,シャープ創業者)がシャープペンシルを発明したのも大正5年であった。
新聞によれば、平塚市には100歳以上の高齢者が127名もいらっしゃる。この数は過去最多だそうである。市内の最高齢は、107歳の女性2名だそうである。巷では、「アラウンド・サーティー」、略して「アラサー」に対抗して「アラウンド・ハンドレッド」略して「アラハン」なる言葉が流行しているとか。
長寿と言っても、日本は平均寿命を香港に抜かれ、男女とも世界第2位となってしまった。これも受け売りだが、香港の長寿の源は医食同源、安価でかつ利用しやすい医療機関の充実(漢方も含む)、そして喫煙率の低下だそうである。
すでに人口減少が始まっている日本にあっては、平均寿命の伸延よりも健康寿命を延ばすことを心掛けたいものである。「生涯現役」を目標に!
それには、1~2cm歩幅を広げた歩き(時にはゆっくり、時には早く)を心掛け、不道徳ではあるが紙クズを丸めたゴミはゴミ箱から離れた場所からゴミ箱に投げ入れる訓練、そして回想法を取り入れた「ういすたりあ」の「藤の花学校」の参加などをお勧めしたい。
さらには日常からテクテク(適度な運動)、カミカミ(三度の規則正しい食事を、よく噛んで食べる)、ニコニコ(心の健康)、ドキドキ(五感を使った感動)も心掛けたいものである。
伊藤 克之