お休み処「わびすけ」

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新 春 雑 感

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましてはつつがなく新しい年をお迎えのこととお喜び申し上げます。新年1

 また一つ齢を重ねてしまいました。歳をとると本当に時間の経つのが早く感じられます。20代の人は20kmで、30代の人は30kmのスピードで、そして50代の人たちは50kmの速さで人生を過ごしているとも言われています。清少納言はこんな歌を詠んでいます。「ただ過ぎに過ぎるもの 帆かける船 人の齢 春夏秋冬」 今年も充実した1年を過ごそうと思っています。

 昨年はフィリピンに瞬間風速100mという巨大台風が到来し、エジプトのカイロ郊外では100年ぶりに雪が降ったそうです。我が国では高知県の四万十市で41℃の最高気温を記録し、青森県酸ヶ湯では556cmという積雪がありました。そして伊豆大島の土砂崩れは記憶に新しいところであります。地球温暖化による異常気象とはいえ。今年は穏やかな年であって欲しいと願うばかりです。

 「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」という諺がありますが、昨今の我が国では路上で新年を迎える人や家のない人が多くいると言われています。そしてネットカフェやマンガ喫茶等の出現で、年々この現象は見えにくくなっています。また、家があっても社会と関わらず、孤独死に至る人たちが新聞やテレビを賑わせています。少子高齢化した我が国にあっては、認知症高齢者多数化も大きな社会的難問題となっています。

 天皇陛下からのお言葉に「国民皆が苦しい人々の荷を少しでも分かち持つ気持ちを失わず、世界の人々とも相携え、平和を求め、良き未来を築くために力を尽くしていくよう願っています」という一節がありました。まさに失われつつ日本国民の「思いやりの心」「福祉というものの原点」を憂いに感じられていらっしゃるのではないでしょうか。

 百人一首で光孝天皇が詠んでいます。「君がため 春野に出でて 若菜つむ 我が衣手に 雪は降りつつ」

 新年の楽しみの一つに「年賀状」があります。師走の忙しいときに書く年賀状は苦しみでもありますが、その苦労を吹き飛ばしてくれるのが元旦に届けられる年賀状です。一年間、いや数年間もご無沙汰新年2をしている人たちから届けられる一通のメッセージは懐かしくもあり、貴重な心でもあります。うれしく、ありがたいものです。

 年賀状で近況報告をしてくれるもの、住所変更を知らせてくれるもの、家族の成長や新年の抱負を記してくれる人もいます。その中で特に印象に残った年賀状を、差出人に無断で、皆様にも読んでいただきたいと思います。

「昨年、孤独死が怖いので再婚しました。年甲斐もなく、と周囲から揶揄されており、メタボになりました」古希を迎えた友人からです。加藤茶やラサール石井のように若い奥様をもらったのでしょうか?お幸せに!

「素敵に生きた女性達がいました。私もそのような生き方をしてみたいと思いました。素晴らしく生きた男性達がいました。一緒に生きたかったと思います。でも、土台、無理なお話でした。ヒトの世界に、どうにもならない事は、多いけれど・・・ 時はまだある。次の扉も開けなくちゃ。夢想の扉。新しい話の始まりです」 もの凄く美人の女性からの年賀状でした。私はただひたすらに「幸多かれ」と願い、初詣で彼女の新たな出会いを祈願して参りました。

                                   伊藤 克之